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投稿日:2024.07.19
プロモーション戦略とは、商品やサービスの販売促進を目的として、広告や販促、イベントなどの手法によって顧客にアプローチするときの戦略です。マーケティング戦略の一環であり、工程としては市場戦略や経営戦略を決定した後の最終段階にあたります。プロモーション戦略は、商品やサービスの認知度向上や、新規顧客の獲得、既存顧客との関係深化のために必要です。
この記事では、プロモーション戦略の重要性やフレームワーク、立案の手順、主な手法、および成功事例について解説します。
プロモーション戦略とは、商品・サービスの販売において重視される「4P」の1つである「プロモーション(Promotion)」についての戦略です。プロモーションとは、自社商品の特徴やメリットを伝え、顧客の購買行動を促すことを指します。
プロモーション戦略はSNS、チラシ、イベントなどの選択肢の中から、効果が高いアプローチ方法を決める工程で、基本的にはマーケティングの最終フェーズにあたります。
プロモーションはマーケティングの1要素であり、プロモーション戦略はマーケティング戦略の中に含まれます。
マーケティングには複数の定義がありますが、一般的には「商品・サービスを効率的に売る仕組みを作る活動」を指します。具体的には、SEOによって集客基盤を整える、SNSでのコンテンツ発信で消費者との接点を確保する、などの活動が挙げられます。
プロモーションはマーケティング戦略の後半部分にあたり、市場・経営戦略を決定した上で顧客に商品・サービスを知ってもらうための方法を考える段階です。
企業がプロモーション戦略に取り組む重要性・メリットには、以下の点が挙げられます。
プロモーション戦略のフレームワークとして重要になるのが、「4P」と「3C」です。それぞれの概要や組み合わせを理解しておくと、プロモーション戦略を立てやすくなります。
ここでは、プロモーション戦略のフレームワークである「4P」と「3C」について詳しく解説します。
プロモーション戦略の4Pとは、「商品(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」「プロモーション(Promotion)」の頭文字です。4Pは消費者に商品・サービスを提供する際に検討しなければならない4つの要素を表します。
4Pのそれぞれの要素の意味は、以下の通りです。
4Pの要素について考慮し、市場からの反響を引き出すことを「マーケティングミックス」と呼びます。
プロモーション戦略の3Cとは、「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の頭文字です。3Cはマーケティング施策を考える際に行う自社を取り巻く環境分析において注目すべき3つの要素を表します。
3Cのそれぞれの要素の意味は、以下の通りです。
3Cの分析によって現状を洗い出すことで、市場のニーズやビジネス成功のためのポイントが客観的に具現化されます。
プロモーション戦略にはプッシュ戦略とプル戦略の2種類があります。戦略を立案する際は、それぞれの特徴を押さえてバランスよく使い分けることが重要です。
ここでは、プッシュ戦略・プル戦略の概要や特徴について詳しく解説します。
プッシュ戦略とは、メーカーから流通業者、小売業者、消費者へと商品が届く過程において、それぞれの業者が積極的な販売活動を実施する方法です。「プッシュ」という単語の通り、能動的なアプローチによる「押し」の戦略であると言えます。
プッシュ戦略の具体例は、以下の通りです。
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小売業者へ販売員を派遣して接客を担当したり、ほかの販売員に商品説明のノウハウを提供したりすることで、売上拡大につながります。キックバック制度によって自社商品の販売強化を促すのもプッシュ戦略の1つです。
また、消費者へのアプローチ方法として、DMや電話、訪問での営業が挙げられます。
プッシュ戦略はエンドユーザーに対して直接働きかけることが可能であるため、ブランドや商品・サービスの認知度が低い場合に向いています。
プル戦略とは、消費者の需要を喚起するための施策に注力し、自社商品の指名買いを狙う方法です。「プル」という単語の通り、受け身な販売促進による「引き」の戦略であると言えます。
プル戦略の具体例は、以下の通りです。
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テレビCMやSNSでブランド・商品をアピールすることで、イメージ向上や認知度拡大などの効果が得られ、消費者の購買意欲を刺激できます。また、展示会やセミナーには基本的に業界・商品に関心を持つ人が参加するため、購入につながる可能性が高い見込み客を確保しやすいのが特徴です。
プル戦略は消費者からのアクションを待つ戦略であることから、ブランドの認知度がある程度高く、他社製品との明確な差別化ができている場合に向いています。
プロモーション戦略立案の際には、立案の正しい手順を押さえておくことが重要です。正しい手順に沿った計画・立案により、顧客の購買意欲を高める効果的な戦略を立てられます。
ここでは、プロモーション戦略を立てる手順・ステップについて詳しく解説します。
プロモーション戦略の目的を明確にし、その上でゴールとなる具体的な数値目標を定めましょう。
プロモーション戦略にはさまざまな取り組み方があり、それぞれでメリット・デメリットが異なります。最適な手段を選択するためにも、まずはプロモーション戦略の目的を明確化することが重要です。
また、プロモーション戦略を立案する際に「認知拡大により新規顧客を獲得したい」「販売数を増やしたい」のような目標を立てる企業も少なくありません。しかし、目標が抽象的であると効果の測定が難しく、どの時点で目標達成と判断するのかが曖昧になります。
目標設定の際は「新規契約を20件獲得する」のような数値目標を定めることで、達成率や効果の測定がしやすくなります。
目的・目標が決まったら、次はプロモーション戦略のターゲットを明確にします。
プロモーション戦略を立案する際、ターゲット像が曖昧では施策の方向性が固まりません。商品の内容・特徴から大まかなターゲットを予想するのではなく、事実やデータに基づいて正確にターゲットを選びましょう。
たとえば、新規顧客の獲得を目的としたプロモーション戦略を立案する場合、どういったタイミングで興味が湧いたのかアンケートするのも1つの手です。「もともと商品について知っており、興味が増した」「もともと商品を知らなかったが、興味が湧いた」のような回答をした消費者の傾向に基づき、ターゲットを選ぶとよいでしょう。
ターゲットを明確化したら、さらに顧客の情報精度を上げる作業が必要です。ターゲットに見られる特徴やその理由について深掘りしましょう。
居住地や収入額などの細かな情報まで分析することで、「見込み客は都内在住で年収300万~500万円の30代女性」のように、ターゲットの情報精度が上がります。
また、ターゲット分析の際には、ペルソナ設計を行うのが重要です。ペルソナとは、ターゲットとして想定する顧客の特徴を細かく設定した、プロモーション戦略のモデルとなる架空の人物像を指す言葉です。
以下のような細かな設定まで作り込んでおくと、プロモーション戦略にかかわる社員全員がターゲット像について共通認識を作れます。
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ペルソナ設計によりターゲット像を担当者全員が共有すれば、使用するメディア媒体やアクションのタイミングなどを最適化でき、戦略がちぐはぐになるのを防げます。
プロモーション戦略において、商品・サービスのどの部分を提供価値としてアピールするのかを決めることは特に重要なポイントです。
訴求する価値は商品・サービスの特徴や利用メリット、他社にはない強みなどが基本となります。たとえばコスメ商品であれば、発色や使い心地、価格、パッケージデザインのほか、取扱ショップ、購入方法なども訴求価値の候補となるでしょう。
ただし、訴求する価値がターゲットのニーズに合っていなければ元も子もありません。ターゲット層がコスメの質を重視している場合、価格やパッケージデザインを売りとするのは戦略として正しいとは言えないでしょう。
プロモーション戦略において前面に打ち出す商品・サービスのメリットは、ターゲットが求める条件や最重視している項目に合ったポイントとなるよう意識しましょう。
商品・サービスやターゲットに合わせ、最適な手法を選択してプロモーション戦略を実行します。
プロモーション方法にはさまざまな方法があり、それぞれで必要なコストが異なります。たとえプロモーション活動を通して反響・売上を得られたとしても、費用が上回って赤字となってしまっては本末転倒です。
プロモーションによって得られる利益についても考慮しながら予算を決定しましょう。
また、プロモーションの具体的な手法が決まったら、全体のスケジュールや業務の割り振りを決定します。いつ・誰が・何をするのかを決定しておくことで、スムーズな実行が可能です。
プロモーション戦略の実行後は効果測定を行い、良かった点・改善点を洗い出します。
効果測定の際は、まずは設定した数値目標を達成しているかどうかを調べます。また、多角的な視点からプロモーションを振り返れば、得られた成果をさらに明確にすることが可能です。
具体的には、以下のような点に注目して効果を測定するのがおすすめです。
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全体を通して良かった点と改善点を抽出したら、次回以降のプロモーションに活かしましょう。
プロモーション戦略を立てるときには、プロモーションの主な種類を把握しておくと立案がスムーズになります。それぞれで適したシーンやメリットが異なるため、目的に合わせて選択しましょう。
ここでは、プロモーション戦略の主な手法を4つ紹介します。
広告とは、企業が広告主となって有償で商品・サービスを宣伝する手法です。プロモーション施策の中でも代表的な方法であり、商品・サービスの利用促進や認知度向上を目的としています。
広告の具体的な例は以下の通りです。
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最近ではWebサイト上に表示されるインターネット広告が注目されています。インターネット広告は不特定多数のユーザーへの表示はもちろん、指定したキーワードで検索したユーザーにのみ表示するなどの柔軟な広告戦略が可能です。
広報とは、企業の経営方針や社会貢献活動、業務内容などの情報を一般向けに開示する手法です。英語では「Public Relations」と呼ばれており、頭文字を取って「PR」とも表現されています。
広報の目的は、企業の信頼度・好感度をアップさせることです。顧客との信頼関係を構築してポジティブな印象を与えられれば、結果的に商品・サービスの売上アップにつなげられます。
広報の具体的な例は以下の通りです。
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広報は消費者に向けた発信に限定されず、取引先やメディア、就活生などのさまざまな立場をターゲットとできるのが魅力となります。
販促とは、消費者の購買意欲を刺激して販売を促進する手法です。販促はセールスプロモーションとも呼ばれ、直接的なアプローチによって自社商品を購入してもらうことを目的としています。
販促の具体的な例は以下の通りです。
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無料サンプル配布や試食サービスによって商品の良さを直接実感してもらう方法のほか、クーポンやノベルティでお得感を演出するのもよくある手法です。また、自社の営業販売担当者や商品を取り扱う小売店向けに販売コンテストを実施することで、セールスを強化できます。
イベントとは、自社商品やブランドそのものに興味・関心がある人を集めた催し物を実施する手法です。顧客と直接コミュニケーションを取って商品情報や魅力を伝え、商品理解を深めたり、販売を促進したりすることを目的としています。
イベントの具体的な例は、以下の通りです。
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プロモーションイベントには、既にブランドや商品にある程度興味を持つ人が参加するのが一般的です。そのため、イベントに向けての集客はもちろん、イベント当日の内容をいかに充実させるかがポイントとなります。
プロモーション戦略の成功事例として、大人が楽しむ謎解き・宝探しイベントを提供している「タカラッシュ」の例を紹介します。
タカラッシュは東京タワーにて、「大人が没入できる謎解き」イベントを2度開催しています。イベントでは、参加キットを購入した参加者が、自分のペースで東京タワー内を探索して謎解きを楽しみます。
第1弾のイベントでは、コロナ禍中でも1年半の開催で5,000人以上が参加し、満足度96%以上という結果を出しています。 |
▼【イベント紹介】東京タワー「大人のための謎解き」過去最高の初動売上を記録! -導入事例
タカラッシュは富岡市観光協会とともに、富岡市内を散策しながら楽しめるリアル宝探しをプロデュースしました。これまでに5作品を発表し、累計参加者は1万人を超えています。
富岡市の宝探しでは地元企業と連携した企画も魅力です。「500円以上の買い物でオリジナル缶バッジを配布する」「温泉施設の利用でコーヒー1杯を無料提供する」などの企画を取り入れ、集客につなげました。 |
▼【イベント紹介】累計参加者1万人超え!群馬県富岡市で人気宝探し第5弾 -導入事例
プロモーション戦略を実施するときは、まず数値目標を決めた上でデータに基づいてターゲットを選ぶところからスタートします。選んだターゲットの特徴を分析してペルソナを作り、自社の商品やサービスのうちペルソナが好む価値を取り上げて訴求しましょう。プロモーションにあたっては広告、広報、販促、イベントなどの多様な手法があります。どの手法がターゲットに合っているかを考えて実践し、プロモーションが終わった後は効果を測定して次につなげましょう。
タカラッシュではプロモーション戦略に最適な、謎解き・宝探しイベントを開催しています。商品・サービスのPRから地域活性化まで、イベントで盛り上げられるため、ぜひ一度ご相談ください。
▼タカラッシュの謎解き・宝探しイベントの概要はこちら
https://takarush.co.jp/public-relations/
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